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全国肥料商連合会(全肥商連)
平成21年 10大ニュース

1.創立54年経過し、組織の法人化へ

 商人系唯一の全国組織である全肥商連を時代の流れに即応し、その存在感を内外に明確にする為、法人格を持った組織とする事が9月の定時総会で承認された。現在、公認会計士・税理士と法人の骨格となる定款の原案作り等具体的作業に着手し、原案でき次第元売協議会・県部会の中から選任される検討プロジェクト・チームのメンバーに提示して詰めの検討が開始される予定である。

2.全肥商連のパワー評価高まる

 肥料高騰対策事業推進活動で全肥商連の力量が高く再評価されて来た。特に県部会によっては農家に対する密度の濃い指導と懇切丁寧なフォローアップは系統に優るとも劣らぬ内容となり、補助金申請額も傘下農家数相応の遜色ない結果となった。茨城県では会員・非会員問わない結束した事業推進が功を奏し、新規の会員が40社弱も増加し、県全体で200社を超える結果となった。又、述べ約9千人からの施肥技術指導員による制度普及は肥料高騰対策第2弾の施肥改善計画推進に当っても遺憾なく指導力を発揮している。

3.全肥商連ホームページ開設

 永年の懸案であったIT活用の情報発信手段として全肥商連のホームページが7月に開設された。メンテナンスは農業関係情報網に幅広いネットワークを持つ農山漁村文化協会と本部事務局が担当する。
 内容的にはTOP、組織案内、業界展望、会員コーナーから成り、全国県部会事務局、会員住所・電話番号、有機相場表、ひろがる農業(技術編)農政トピックス等で構成されているが、今後は会員紹介コーナーなども充実してゆく予定。

4.歴史的政権交代・民主党圧勝

 8月30日の衆院選により、非自民党の連立政権としては1993年の細川政権以来16年振りの政権交代が実現した。
 鳩山由紀夫総理の下、農林水産大臣には旧社会党時代に書記長を務め、民主党でも国会対策委員長や選挙対策委員長を歴任した赤松広隆氏が選任された。農政手腕は未知数であり新政権の目玉である戸別所得補償制度等、どう舵取りされるか新大臣の手綱捌きに期待が寄せられている

5.新農政の目玉、戸別所得補償制度、条件設定と財源絡みで混沌

 新政権のマニフェストで大々的に発表してきた戸別所得補償制度は11年度完全実施に備え、10年度はモデル事業としてコメに限定してスタートしようとしている。
 しかし、具体的な補償の仕組みや定額支払いの単価、又、算定基礎の価格調査や前提条件となる生産調整参加を巡って生産数量目標の配分を誰が主体となって作業するのか、問題山積となり野党自民党の反発は勿論、与党内部でも批判や疑問が噴出している。支払いはJAや地方協議会を経由せず農政局から直接農家の口座に支払う仕組みを基本とする旨の発表がなされているが、今後予算編成に向かって一般予算の縮減とも絡んで帰趨が予断を許さぬ状況となりつつある。

6.省資源型農業へ転換の施肥改善計画スタート

 殆どの肥料原料を海外に依存している我が国農業を省資源型農業生産体系へ転換を図ることが重要との方針から、本年度は新たに土壌診断に基く施肥設計の見直し、地域有機資源の活用や施肥低減技術の導入、この為の指導体制のあり方等に付き、学識経験者、肥料流通団体、国や県の指導機関からなる検討会を設立し、3〜6月間に4回の検討会を開催、7月に施肥改善計画の中間答申が公表された。
 なお、検討委員には当連合会上杉会長も選任された。

7.農地法改正で新規農業参入企業急増

 農地制度の基本を「利用」に転換する改正農地法が6月17日可決(年内12月中施工予定)し、農地を借りる際の規制を大幅に緩和(一方で農地の転用規制は強化されるが)する事から企業の農業参入が一気に加速してきた。
 特に今回の改正により農業の構造改革が一段と促進されると予想する企業が、従来の農産物取扱業者、外食産業、量販店等食品関連企業に止まらず、鉄鋼、電力、エネルギー、化学メーカー、商社等あらゆる分野の企業に拡大しているのが特筆される。

8.21年産米作況指数と政府備蓄米買い付け方式変更

 農林水産省発表の10月15日現在本年度作況指数は98の「やや不良」と2年振りに100を割り込み、主食用米収穫予想も831万トン(159万HA)となった。一方、需要量は消費が更に落ち込み821万トン(22年産米政府生産目標量は813万トン、面積換算154万HA)と減少し、年間バランスは10万トンの余剰となるが政府は備蓄米が84万トンになっておる事から適性備蓄水準の100万トンまで16万トンを買い入れる方向で検討に入った。 尚、価格は従来の指定銘柄の買い入れ方式から一定の品質基準を満たしたコメを対象に、全国一律の予定価格を設定して入札する買い入れ(安い順に買い入れる)方式に改定する事から「コメの低価格化が一層進む」との不安や批判が出始めている。

9.肥料価格大幅高騰から6年振りの大幅値下げへ

 昨年5年連続、史上最大の6割値上げとなり、肥料高騰対策等をもたらした肥料価格が、一転6年振りに値下げとなり値下げ幅も高度化成で24%の大幅値下げとなった。
 主要因は米穀のトウモロコシがリーマンショックの反動で作付け減少した事や一時的な肥料原料・製品在庫増に依る需要不振から主原料の尿素・りん安の反落、世界経済の煽りを受けた海上運賃の下落によるものであるが、世界の人口増、食料不足、肥料需要増のファンダメンタルは不変のままなので、円高等の為替変動の影響はあっても長期的な肥料価格予想は高値基調で推移すると思われる。

10.肥料年度、22肥から6−5月に変更

 JA全農は、戦後永い間、続けてきた7−6月の肥料年度を22肥料年度(2010肥料年度)から6−5月とし、過渡期の21肥料年度は7−5の11ケ月となった。
又建値価格も世界的な食糧増産を背景に肥料原料価格が高水準且つ変動要因が大きくなり、年間を見通した肥料価格の決定が困難になって来たことから年間一本価格を、秋肥(6−10月)と春肥(11−5月)の二本建制として価格と供給の安定を図ることとした。

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