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全国肥料商連合会(全肥商連)
平成22年 10大ニュース

1.任意団体から一般社団法人全肥商連へ法人化スケジュール決定
 昨年9月の定時総会で承認された法人化を全国各地域のブロック説明会を経て、元売協議会・県部会の中から選任された新組織検討委員会の4回に亘る検討会答申を受け、来年1月19日に解散・設立総会を開催する事が9月17日の定時総会で承認された。専門家の指導の下、定款原案も完成、解散・設立に向け設立準備委員会を立ち上げた。
2.全肥商連メールマガジン開始
 IT活用の情報発信手段として昨年7月全肥商連ホームページを開設したが、本年度は7月から第2弾として会員に対するメールマガジンを開始した。
 メール作成はホームページ同様、多彩な人脈と農業関係情報に精通している農山漁村文化協会と本部が担当する。
 内容は県部会行事、本部活動、農業技術・農政トピックス、その他生活の知恵等から構成され、既に全会員の約2割、400会員のメールアドレスを登録済である。
3.食料・農業・農村基本計画見直し
 農業・農村の繁栄無くして国家の繁栄はあり得ない、という基本理念の下、政府が中長期的に取り組むべき方針を定めた農政の基本計画であり、5年毎に見直され 22年3月閣議決定された。
 今回は昨年1月末から政策審議会の下に設けられた企画部会で、見直しの検討がなされ、支援対象を意欲あるすべての農家として、大規模農家に拘わらず多様な経営体を支える農政に組み直し「戸別所得補償制度の導入」「消費者ニーズに合った生産体制への転換」「農業の6次産業化」を3本柱に、日本の食と地域の早急な再生を目指す方針を打ち出した。
4.鳴り物入りの民主党政権混迷
 昨年16年振りに非自民系政権として誕生した民主党鳩山政権は「米軍普天間基地移設」や「政治と金」の問題で本年6月、政権担当以来8カ月半で崩壊、その後を引き継いだ菅政権も国内経済、外交面共に国民の期待する成果を得られず混迷している。
 その間、難問山積の農林水産大臣も赤松広隆氏から山田正彦氏へ、更に鹿野道彦氏へと1年間に3人の大臣にバトンタッチされたが、鹿野大臣は自民党時代に続いて2回目の農林水産大臣であり、手腕に期待が寄せられている。
5.戸別所得補償制度農家の評価分かれる
 本年度モデル対策としてスタートした米の戸別所得補償制度について、申請は133万件以上に達し一応の成果を得たが、下落している現在の米価水準から10アール当たり15千円の定額補償の評価は「ある程度役立った」と「不十分で早急な過剰米対策と値下がり分の差額補填を希望する」という評価に分かれている。
 政府は来年度本格実施に向けて麦、大豆、コメ粉、飼料米等を新たに制度に組み入れ、将来の食料自給率50%達成に備えたい方針だが、新たにTPP参加の是非もあり予断を許さぬ状況である。
6.口蹄疫発生により全国研修会延期
 本年4月20日に宮崎県で発生した牛の口蹄疫感染拡大予防の為、7月8、9日予定の全国研修会を已むを得ず延期とし、47回研修会は来年7月7,8日熊本県で開催決定、企画内容は検討中。
 当の宮崎県は5月中旬、非常事態を宣言、発生以来4ケ月間苦闘し8月末に農場に残っていた家畜の排泄物処理を終えて終息宣言した。その後、各方面の清浄性確認検査を経て、10月6日付で国際獣疫事務局OIEに食肉等の輸出再開を進める申請を提出した。
7.環太平洋経済連携協定TPP巡り農業・産業界騒然
 太平洋に面しているAPEC中心に貿易の関税を撤廃し、自由貿易を促進しようとする協定だが、農業界を中心とした反対派は、日本がTPP参加となれば日本農業は即壊滅する、一方輸出産業界中心の促進派は、日本が参加しなければ世界から孤立し失う国益は計り知れない、と主張している。
 政府としては、国内の環境整備を進めながら、関係国との協議を開始し、来年11月のAPEC首脳会議までにTPP参加の是非について結論を得たい方針だが、今後国内外から日本の農業・農村への風圧が強まる可能性大である。
8.22年産米作況指数
 農林水産省発表の10月15日現在の本年度作況指数は、昨年同様98の「やや不良」と2年連続100を割り込んだものの、消費の落ち込みもあり、全体の過剰感に変わりはない。主食用米収穫予想量は824万トン(158万ha)で、政府の需要予想805万トンを19万トン上回る見込みとなった。本年産米は猛暑の影響で白未熟粒の発生多く、一等米比率は63.1%と過去10年で最低、米どころ新潟は更に被害甚大にて21.4%と最悪の一等米比率の年となった。
この事から作況指数が101以上になった場合の過剰米対策として積み立てられている2004、5年産米の基金321億円の使途や政府の備蓄米買付が注目される。
9.記録的な猛暑
 猛暑や集中豪雨が世界各国を襲い、洪水や土石流などによる人的被害や農業被害が続発、ロシアは一時的に穀物輸出をストップしたが、FAOの発表では世界の穀物生産が2.1%減少し、期末在庫も減少する事から今後の食料価格高騰が憂慮される。
 勿論、国内産農産物も生育不良・品質低下等の影響で市場への入荷不足と価格高騰となり、中国産野菜が再び輸入増となった報道もされたが、異常気象の原因は北半球の上空を流れる気流や熱帯海域の水温異常高が最大の要因として挙げられた。
 国内の最高気温は7月岐阜県多治見市の39.4度で、同市の2007年40.9度は更新されなかったが、各地で連続猛暑日や連続熱帯夜の記録が更新された。
10.22肥料年度価格スタートで下げて、春肥で値上げ
本年より秋春2本建価格となった秋の肥料価格は、6−10月(5カ月)のスタートで主要品目の高度化成で約10%値下げとなり、2年連続の値下がりとなった。 11−5月(7カ月)の春肥価格は、世界的肥料需要回復を反映した国際マーケットの値上げ影響から、前年対比1.7%の値上げとなった。しかし、21肥料年度対比では8.5%の値下げである。
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