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全国肥料商連合会(全肥商連)
平成24年 10大ニュース

1.「施肥技術講習会」順調に開催、施肥技術マイスター続々誕生
 全肥商連の法人化を機にスタートした施肥技術講習会は、昨年8月の東京開催を皮切りに本年11月までに大阪・熊本・盛岡・名古屋と5会場で開催致しました。
 受講者総計594名、施肥技術マイスター登録者は571名(手続き中を含む)となりました。平成25年は東京・札幌・岡山の開催を予定しており、今後も年3回全国各地での開催を計画しております。平成28年には施肥技術マイスター登録者を2,000人とすることを目標としています。
2.「土と施肥の新知識」販売順調、出版記念式典大盛況
 本年8月に施肥技術講習会の新教材「環境・資源・健康を考えた『土と施肥の新知識』」を(社)農文協の協力を得て、出版しましたが、大変好評で当初の計画を大幅に上回る順調な滑り出しです。
 本書は「施肥技術講習会」のテキストでもありますが、これから農業に関わる人や「地域」のリーダーなど、これからの農業を支える人たちにも是非読んで頂きたい内容です。又9月に開催の出版記念式典(記念講演・パネルディスカッションなど)では約190名参加し大盛況でした。
3.第48回全国研修会開催
 第48回全国研修会は、予定通り7月5日〜6日岡山市で開催しました。
 「農の継承」をテーマに、二宮尊徳7代目子孫中桐万里子さんの日本人が忘れかけていた報徳の心の大切さを蘇らせてくれた講演「二宮尊徳に学ぶ農による国づくり」には126名参加し盛況裏に終了しました。来年度は奈良県部会を中心に近畿ブロックが幹事として、7月4日〜5日奈良県橿原市を予定しています。
 テーマは「温故知新」、講演 山田法胤薬師寺管主。
4.米価高騰・米消費の減少
 農水省が10月30日公表した平成24年産の作況指数は102で、20年産以来4年振りの豊作ですが、供給が増えているのに震災の影響で高値となった23年産より価格が上がっています。昨年米の集荷量が減った全農が、24年産米については、通常年より高い仮渡し金を傘下の農協に提示して、コメの集荷を強化しているのが一因であるとの説があります。一方23年度のコメの一人当たり消費量(年)は前年より1.7kg減少し57.8kgです。
 平成23年度の家計調査でも家庭のコメの購入額はついにパンに抜かれましたが、ごはんを食べる回数はパンより多く、コメがパンに主食の座を奪われたわけではありませんが、少しでもコメの消費が増えることを願うばかりです。
5.肥料2期連続値下げ
 主要品目である高度化成の今年度の価格は、秋肥(6月―10月/5カ月)△6円、春肥(11月―5月/7カ月)△13円と秋春合計19円の2期連続値下げとなりました。
 肥料高騰化前の19肥料年度の複合肥料の出荷量229万トン(うち高度化成104万トン)あったものが20肥料年度以降減少し、23年肥料年度の出荷量は184万トン(うち高度化成87万トン)と一向に回復の兆しが見えません。一方中国・韓国の輸入化成は増えつつあり、今後もしばらくは続くものと思われます。
6.農業就業人口減少・高齢化の進行と農業成長産業関連法案成立
 平成24年度の農業就業人口は251万人となり、前年より9千人減少しました。5年前と比較すると約60万人減少し、基幹的農業従事者の平均年齢も64.6歳から65.9歳と高齢化が進んでいます。
 この時代背景の下、行政は2次・3次産業との連携を促す農商工連携、農業6次産業化を進めてきましたが、平成24年8月には官民共同出資の農林漁業成長産業ファンドを創設する?農林漁業成長産業化支援機構法(農業ファンド法)が成立しました。これにより、従来の補助金や融資制度に加え出資と云う形で自由度の高い資金供給が可能となり、農業成長産業化の取組みが加速されるものと思われます。
7.政権交代・自民党政権復活
 原発・消費税・TPP・景気雇用対策などを争点として行われた衆議院選挙は、自民党が単独過半数となる圧勝で、3年振りに政権復活となりました。参院のねじれ現象が続く中で今後は政権公約をいつ、どのように実行されるかが国民の関心事となります。とりわけ私たち農業関連の仕事に従事しているものにとっては、TPP(環太平洋パートナーシップ)問題にわが国がどんな立場をとるか、その行方に注目が集まります。
8.京大山中教授iPS細胞でノーベル賞受賞
 今年のノーベル医学・生理学賞には体の様々な組織や臓器になるとされる「IPS」細胞を作りだすことに成功した京都大学教授山中伸弥さん(50歳)が選ばれました。
 日本のノーベル賞受賞者は19人目で、医学・生理学賞は1987年に受賞した利根川進さん以来25年振り2人目の快挙です。iPS細胞とは万能細胞の一つで、さまざまな細胞への分化が可能で、再生医療・創薬への応用が期待されています。難病患者からiPS細胞を作って解析すれば、発症原因や治療の糸口が見つかるかもしれません。国内外の研究者は1日でも早く医療応用が出来ることを目指して研究を続けています。
 農業分野の研究でも日本発、世界初の育種技術が商業化されております。理化学研究所等が開発した「重イオンビーム」による品種改良は"世界に一つだけ花"を創りだしました。安全で育種年限の短縮を図れ「日本ブランド」の新品種育成が可能となります。
 平成25年1月22日の新年賀詞交歓会(全複工・全肥商連共催)にて阿部知子先生の特別講演が予定されております。このように世界に冠たる技術は医学・農業分野にて新たに花が開こうとしております。
9.「絆」から「金」へ、夢と勇気を与えたロンドンオリンピックと東京スカイツリー
 今年の世相を表した漢字は「金(きん)」。
 今年人々に夢と勇気を与えたロンドンオリンピックは、金メダル7個を含む史上最高のメダル数38個(銀14、銅17)を獲得しました。この期間は睡眠不足になった人も多かったようです。国民栄誉賞を受賞した女子レスリング金メダリスト吉田沙保里さんはじめ、サッカー・バレーボール・卓球など女子の活躍が目立ったオリンピックでした。女子バレーの中国との3位決定戦は東京オリンピックのソ連との決勝戦を彷彿させる感動の一戦でした。
 史上初めてとなるメダリストのパレードは東京銀座で行われ、50万人の大観衆の声援を笑顔で応えていました。
 5月に開業した東京の新しい観光スポット、東京スカイツリーも私たちに夢と希望を与えてくれました。世界一(634メートル)という金字塔を打ち立てたタワーの展望台からの眺望は、一望万里とあって、連日大賑わいです。5月22日〜11月21日までの半年間の来場者は約328万に達し、「東京ソラマチ」などスカイツリータウンの来場者も2,792万人となり予想外の来場者数に関係者は大喜びです。
10.欧州債務問題と日本の企業業績減速
 日本経済は、昨年の東日本大震災から1年が経過し、期初は復興需要が期待され企業業績の回復が予測されていました。しかし夏以降は欧州債務問題始め成長の鈍化が明確になってきた新興国や中国の尖閣問題など海外情勢に不透明感が増したことにより、製造業を中心に業績予想の下方修正が相次いでいます。今後新政権のデフレ脱却、円高対応プランと、米国の「財政の崖」懸念が解消することにより、円安・ドル高のトレンドが形成されるだろうと予測する向きもあります。来年はどの企業が活路を見いだし収益を回復させるか期待が膨らみます。
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