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全国肥料商連合会(全肥商連)
平成28年 10大ニュース

1.全肥商連創立60周年記念式典・第52回全国研修会開催
 全肥商連創立60周年記念式典を7月28日(木)、経団連会館で開催しました。記念式典は都道府県部会員・元売会員・賛助会員・準会員・業界団体など約400名の参加を得て成功裏に終わることができました。記念式典は3部で構成され第1部では、全肥商連の活動を通して日本農業の発展に貢献された23名を表彰しました。滋賀県野矢商店野矢善章会長、熊本県児藤商店児藤雅俊社長、静岡県豊田肥料豊田富士雄社長の3名が農林水産大臣感謝状を受賞されました。第2部では国宝・文化財の修復を行う鰹ャ西美術工藝社のデービッド・アトキンソン社長による「新・観光立国論」の基調講演と基調講演を受けて「さあ 動こう!そこに未来がある」をテーマとするパネルディスカッションを行いました。パネラーにはアトキンソン社長に加え、小泉進次郎衆議院議員、二宮尊徳7代目子孫中桐万里子リレイト代表が参加し、未来志向による日本農業、地方の再生について、その実行には農業関係者ばかりでなく私どもの意識改革が必要であるなど積極的な意見交換がなされました。第3部では記念祝賀会が盛大に行われましたが、石破茂地方創生大臣はじめ政官民の方々から激励の祝辞を賜りました。また、第52回全国研修会は、創立60周年記念式典に併せて、先進農業視察/農研機構(茨城県つくば市ほか)・デザイナーフーズ且蜊テの生命食セミナーを中心に開催しましたが、164名と大勢の方が参加されました。来年の全国研修会は熊本県部会を中心に全肥商連九州が幹事として、7月6日(木)〜7日(金)熊本(メルパルク熊本)で開催致します。

2.新・施肥技術講習会制度スタート・シニアマイスター誕生
 施肥技術講習会制度は5年を経過し、施肥技術マイスターの更新期となり、これを機会に施肥技術講習会制度を改訂しました。新制度は新基礎コース、実学コース、実践コースの3コースで構成され、新基礎コースでは旧・施肥技術講習会の内容を引継ぎますが、実学コース、実践コースは施肥技術マイスターと普及指導員を対象として、現場で実践的に役立つ講義内容となっています。11月に実施した『第17回施肥技術講習会(第1回実学コース)』では107名が受講、新たに73名のシニアマイスターが誕生(予定)し、14名がマイスターを更新しました。
「旧・施肥技術講習会(基礎コース)」は、本年10月までに全国各地で16回開催しましたが、これまでに1,906名(うち普及指導員171名)が受講し、施肥技術マイスターは1,604名となりました。官民協働による営農促進の基盤を作ることができました。

3.特別プログラム継続実施
 一昨年より実施した特別プログラムは、平成26年度は11県部会・1団体、昨年度は9県部会が参画し、部会の活性化に貢献することが出来ました。特別プログラムの認知度は高まりつつあり、また事業内容も深化をしてきていることから平成28年度も今までと同様250万円の予算で継続実施します。都道府県部会の新規参画を図り、部会の活性化・事業拡大に資するプログラムとなるよう一層注力します。

4.熊本地震義捐金
 4月14日(前震)と4月16日(本震)に発生した熊本地震は、熊本県熊本地方を中心に死傷者2,600人以上、家屋損壊18万3千以上の被害を与え、大惨事となりました。また、農業関係の被害額も1,000億円を越える大損害を与えました。この地震により多くの会員の方が被災されましたが、全肥商連・全国複合肥料工業会・全肥商連九州3者共催の義捐金は約250万円の募金がありました。熊本県部会は被災した会員への見舞いと共に被災地の復旧と復興につながる事業に義捐金を分配致しました。

5.平成29年春肥価格大幅値下げ
 平成29年春肥価格は窒素質肥料、りん酸質肥料、加里質肥料、複合肥料いずれも大幅値下げで決着しました。複合肥料は、基準銘柄で前期比約1割の値下げ、前年同期比では約2割の値下げとなり、肥料高騰前の平成19年と同水準の価格となりました。一方化成肥料の27肥年度出荷実績は、前年比高度化成96.3%・普通化成95.6%となり、需要は一向に回復の兆しが見えません。来年度は、規制改革推進会議、自民党、農水省が系統組織と協議をして決めた「農業競争力強化プログラム」が実行に移されますが、業界再編成も含む生産資材の価格形成の仕組み見直しが大きなテーマとなります。

6.農政改革
 政府は11月29日の農林水産業・地域の活力創造本部にて「農業競争力強化プログラム」を決定致しました。政府・自民党は2014年6月に「攻めの農業」の骨格を発表しておりますが、第1の矢が全国農協中央会組織改革としますと、今回のプログラムは第2の矢で生産資材及び農産物流通において圧倒的な市場シェアを有する全農組織改革となります。全農改革案のポイントは、@農薬や肥料など生産資材の購買部門の縮少A全農と取引する資材メーカー再編を支援B農産物の委託販売から買取販売への転換などです。その他の改革として農産物の価格下落による農家収入を担保する収入保険制度関連法案を来年通常国会に上程します。数値目標を明記した年次計画の策定・公表を求め、農水省が定期的に点検する仕組みをつくりますが、2019年6月までと定められた「全農自主改革」の進捗状況に厳しい視線が向けられます。

7.TPP発効に赤信号
 環太平洋経済連携協定(TPP)は、参加12カ国により本年2月4日に調印され、日本は批准の為の関連法案を12月9日の国会にて承認しましたが、トランプ次期米国大統領はTPPを離脱し、2国間の貿易交渉に軸足を置く考えを示しました。米国はTPP参加12カ国の国内総生産(GDP)合計の約60%を占め、米国抜きでは発効に必要な85%に達しない為、TPPの発効が厳しくなりました。政府は、TPPの発効で国内総生産(GDP)が13兆6,000億円押し上げられ、79万人の雇用が生まれると試算していましたが、このシナリオが大きく崩れることになります。

8.土壌分析結果の数値表示が可能に
 農水省は、施肥設計に伴う土壌分析値を記載する行為について、計量法上環境計量士を置いていない事業所の土壌分析の数値表示は違法としていたが、6月28日付けで同行為は、都道府県知事の登録を必要とする事業に該当しない旨通知を出しました。従って、「施肥設計のための土壌分析」を行う事業所は以前と同様お客様に対して数値表示が可能となりました。本件は全国複合肥料工業会と全肥商連が全国土の会とともに、行政に対して根気強く働きかけた成果の一つです。

9.訪日外国人旅行客(インバウンド)2,000万人突破
 2016年の訪日外国人旅行客は2,000万人を突破し、本年度中に2,400万程度に達する見込みです。政府は2020年のオリンピックの年に2,000万人を目標に掲げてきたが5年前倒しで達成しました。デービッド・アトキンソン社長による「新・観光立国論」では、観光立国になるには「気候」「自然」「文化」「食事」の4つの条件と多様性が不可欠としていますが、日本はこの条件全てを満たしており、日本の潜在能力と観光産業の隆盛を考えれば、2030年までに8,200万人を招致することは可能であると明言しています(国は6,000万人を目標としています)。自民党は「中山間地農業を元気にする委員会」にて食文化などを生かしたインバウンド需要の呼び込みを打ち出しておりますが、来日目的にユネスコ無形文化遺産になった「和食」を挙げる外国人も多く、インバウンドの増加が国内需要を下支えするとともに農産物の輸出の拡大に繋がるのではとの期待も膨らみます。

10.リオオリンピック 過去最大メダル数獲得
 南米初開催のリオデジャネイロオリンピックは、41個のメダル(金12・銀8・銅21)を獲得し、前回ロンドン大会の38個を上回って過去最高となりました。陸上男子400メートルリレー、テニス男子シングルス、バドミントン女子ダブルスなどオリンピック史上の快挙といえる競技も多く感動の17日間でした。引き続いて開催されたパラリンピックは、計24個のメダル(銀10・銅・14)を獲得し、計16個だった前回ロンドン大会を上回りました。いずれも2020年の東京オリンピック・パラリンピックに期待をさせる成果でした。

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