植物油粕類

(1)菜種油
　7〜9月肥料向けの菜種粕商談は、シカゴ相場高騰により大豆粕価格が大幅アップとなった事で、4〜6月価格よりおおよそ＠4,000アップでの商売となった。
　4〜6月は単肥、原料共に軒並み出荷が低調で、かなりの契約残が残った為、今回成約数量は全体的に少な目となったようだ。5月国内の菜種粕搾油量は、相変わらず油の荷動きが悪い為に前年同期比で92.6％と少なくなっている。一方5月末の菜種粕在庫残は、肥料向けの出荷低調、輸入玉の入船もあり4月末より約9,000トンの増の42,804トンとなり、ようやく4万トン台に回復した。ただ今後も搾油量増は期待出来ず、今回飼料向けは大豆粕より割安原料となる為に、若干配合率も上がると思われ、大きく在庫が増えることは考えにくい。

(2)大豆粕
　7〜9月の大豆粕商談は、国産価格が4〜6月平均価格より＠6,000ほど高値でのスタートとなった。
輸入玉が割安となった為、輸入中心の成約が早々に進み、更に国産、輸入の価格差が大きくなると、これまであまり輸入を使用していなかったメーカーでも輸入玉の手当てをしたようだ。
　最終的に国産は4〜6月比＠10,000以上のアップとなった。5月国内の大豆搾油量は相変わらず低調な状況で、前年同期比約88.5％となっており、また大豆粕在庫も41,884トンと非常に少ない状況が続いている。7月の単肥価格は＠6,000の大幅アップとなった。

(3)脱脂米糠
　7〜9月の脱脂糠価格は関東では4〜6月より＠1,000アップ、東北＠1,500アップ、九州、関西、中部地区は＠500アップと今回も地域間での対応が異なった。地域、メーカー間で需給は若干違う様だが、全体的に処理量も減っており徐々にタイト感を増してきている。

魚粕・魚粉末類

〔概要〕
　最近の穀物市場の下落の影響を受け、軒並み蛋白原料が下がる中で魚粉の価格も徐々に下落するとの思惑があったが、魚粉だけ例外的に若干の上昇基調である。その理由は二点ある。一つ目は、今シーズン製造された魚粉のうち60％は売契約が成立しているためであり、二点目は現在の製品在庫も非常に少なくなっている状況下で下げの要因は見当たらない。現在の価格帯の維持もしくは上げと見る。

〔キャッチング〕
　キャッチング状況は350万mtの漁獲枠のうち、6月25日時点で残り5万mtを残すところまで到っている。1日に1万mt強ほど漁獲できているので、今月中には枠を全て消化する見通し。大手サプライヤーは、原料手当を大方済んでいるため、足りない分を補う形である。今後はペルー南方で50万mtの枠を漁獲するが、この時期は南方の海は荒れるため漁獲量の期待は薄い。次のシーズンは10月末または11月頭の予定。

〔製品別〕
　ホットエアーについては、第25週目では1,000mtのみ売れた。全てアジア向けのコンテナベースの小口商いである。上昇トレンドの踊場の様相を見せる。一方でスチームエアーについては、ヨーロッパ・アジア・チリ向けに8,000mtもの製品が売れた。

〔中国の動向〕
　中国の目立った買いの動きは見られない。中国国内の魚粉ユーザーは7月・8月で入港する貨物で、カバーできるため今後は安くなると予想している。また、養殖業が盛んな中国南方では降雨量が多く、養殖魚の餌の食いが悪化している。そして、豚肉の価格も下がっており、魚粉の使用量は減少している。
中国の港頭在庫は9万mtある。

蒸製骨粉類

　蒸製皮革粉の価格に付いては、韓国産、台湾産ともUS$15.0の値上げ。
THCの値上げを通告してきた船会社もあるが、決定には至らず。しかし、今後値上げになる事は確実。

（注）上表の2002年1月〜2009年5月までの実績数量は、特殊肥料の骨灰である。

蒸製皮革粉