植物油粕類

(1)菜種粕
　7〜9月肥料向け菜種粕商談は6月末ぎりぎりでの商談となったが、大豆粕の価格が下がった事、需給的にも若干緩んできている事もあり、当初の予想より安い@1,500円程度の値下げで決着となった。菜種粕の飼料向け使用は、若午配合率が落ちてはいるものの、引き続き4％の高い配合率となっている。ただ震災、鶏インフルエンザの後遺症で飼料全般の出荷は落ち込んでおり、その分菜種粕の出荷も悪くなっている。肥料向けについても出荷は低調で、特に単肥用の袋物の出荷が大きく落ち込んでいる。一方国内の搾油量は昨年に比べ増えており、直近実績の5月処理量も昨年同期に比べ約15,500トン増となっている。菜種粕の5月末在庫残は前月末残より5,896トン増、昨年同期からは17,958トン多い59,199トンとなっている。

(2)大豆粕
　7〜9月の国産大豆粕は、スタートこそ4〜6月平均価格より若干高値でのスタートとなったが、シカゴ相場が軟調に推移、また輸入大豆粕が大量に入船し需給が緩んでいる事もあり、最終平均価格は@1,500円程度の下げとなった。国内の大豆搾油量は年々少なくなっており、当然粕の発生も滅ってきている。ただその減少分以上に輸入の大豆粕が入船しており、現状南九州を中心に在庫過多の状況となっている、配合率は増えている(4月13.8％)ものの飼料全体の出荷は低調であり、また輸入玉も4〜6月程ではないが予定されており、暫くは在庫過多の状況が続くものと思われる。7月の単月価祐は6月比@500円アップとなっている。

(3)脱脂米糠
　7〜9月の関東脱脂糠価格は、4〜6月価格比@2,000下げで決まった。引き続き原料生糠の発生が多く、処理量が増えている。飼料向けの使用率は増えてはいるものの在庫は膨らんでおり、5月末の在庫残は19,984トンと2万トン目前となっている。水産向けの需要も余り期待出来ず、暫くは在庫過多の状況が続くものと思われる。

魚粕・魚粉末類

Fish meal　レポート

6月末の魚粉価格

Fish meal（Peru）67％ H1,000

：$1,510/MT FOB

Fish meal（Peru）65％

：$1,250/MT FOB

Fish meal（India）65％

：No Offer

Fish meal（India）58％

：No Offer

ペルー状況
　6月末時点では336万トンが水揚げされ、今期漁獲枠まで残り318,800MTとなった。これは漁獲枠の8,7％にあたり、あと2、3週間程で漁獲枠に達成するとみられる。しかし、少しずつ漁獲量は減少する見込みであり、漁獲シーズンは若干延長される可能性がある。一方で多くの船が割当分を達成しており、7月1日より新たな漁獲シーズンが始まる南部において漁が集中すると予想される。

マーケット情報
　現在低いグレードへの需婆が減少している一方で、super primeを求めるバイヤーが多く、super primeとstandardの価格差は約$250まで開いている。standardはこの一ヶ月程度価格はあまり変化しておらず下げ止まっているが、super primeは上昇の一途を辿っている状況である。また、今月は新たに25万MT前後成約され、半分以上が中国の有カバイヤーの買いとみられている。

他産地の状況
【ヨーロッパ】サバのシーズンがアイスランド沖から北大西洋で始まった。ただ現段階では魚を見つけるのが難しく、漁はスローペースである。一方ニシンやシシャモの漁も七月以降始まる予定である。

中国の魚粉玉もち試算
　{(港頭在庫(19.6万トン)+2011年度Aシーズン契約分(約60万トン)｝÷（7）月間引取り数量(約10万トン/月)＝12月初旬までの玉持ち
　中国のメインポートの港頭在庫は5年間の平均数量より増加して196,000MTとなっている。また、直近の港からの引き取り数量は約22,000MT/週と増加している。

蒸製骨粉類

国内の動物質有機原料(フェザーミール・ポークチキンミール等々)に付いて、特にフェザーミールの原料が非常にタイトである。(震災により鶏−数百万羽分の原料が消滅)。
農称水産省による韓国産の蒸製皮革粉メーカーの設備の変更の確認・承認は6月17日に終了。価格に付いては、韓国−＄20/トン、台湾−＄35/トンのアップ。定かではないが、日本より台湾へ原皮を買い付けに行ったようである。しかし、台湾も原皮不足でパキスタン・中国からの買い付けを検討している状況である。

（注）上表の2002年1月〜2011年5月までの実績数量は、特殊肥料の骨灰である。

蒸製皮革粉