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「農家のお医者さん/RQフレックス/コンパクトEC・pHメーター」の特長と使い方

2 RQフレックス

 RQフレックスは、とくに土壌診断用として開発されたものではなく、メルク社製の試験紙(リフレクトクァント)と小型反射式光度計を組み合わせた、携帯用で簡易な化学分析器である。
 試験紙はさまざまな無機イオンや有機物など40種類程度に及ぶ。
 土壌診断でよく利用される試験紙は硝酸態窒素で、そのほかにもpH、カルシウム(石灰)、マグネシウム(苦土)、カリウム、リン酸などの分析ができる。
 通常、機器による化学分析ではあらかじめ濃度のわかっている標準溶液が必要である。しかし、RQフレックスの場合には、測定項目ごとに「バーコード」が用意されているので、それを読み取らせることにより、検量線、試験紙のロット番号を本体に記憶させるような仕組みになっている。
 RQフレックスは簡便性と測定結果の数値化を兼ね備えているため、ユーザーには普及指導員などが多い。農家の個人使用でも役立つ機器であるが、十分使いこなせる人はそれほど多くない。  簡易ながらも分析機器なので、落としたり、水をかけたりしないよう、取扱いにはそれなりの注意が必要である。



RQフレックス(メルク株式会社)


測定の手順(土壌に含まれる硝酸あるいはpHを分析する場合)

1. 乾燥した土10gをビーカーなどにとる。



2.精製水50mgを加えて、十分に攪拌する。



3. 2をろ過しておく。



4. RQフレックスにバーコードを登録しておく。



5. 「START」ボタンを押す。反応時間が表示される。



6. 試験紙を3で作った試料に浸すと同時に、もう一度「START」
  ボタンを押す。



7. 反応時間終了5秒前を知らせるアラームが鳴ったら、アダプター
  に試験紙をセットする。



8. 測定結果が画面に表示される。結果は自動的に保存される。



 注:土壌中のカルシウム(石灰)、マグネシウム(苦土)、カリウム、リン酸は容易にイオン化できないため、精製水のみで抽出された場合は本格的な分析値とは大きくかけ離れた結果がでる。RQフレックスは適した抽出作業後に利用すること。

土壌採取で2つの方法

 RQフレックスによる土壌診断分析法としては、

 1.  畑やハウスから土壌を採取して、抽出した養分を分析する方法
 2.  畑やハウスの作土にポーラスカップと呼ばれる土壌溶液採取器を用いて、土壌溶液を採取
   する方法
の2つがある。



「RQフレックス」に関する問い合わせ先

● 関東化学株式会社 試薬事業本部 試薬部
〒103-0023 東京都中央区日本橋本町3-11-5
TEL:03-3663-7631 FAX:03-3667-8277
HP: http://www.kanto.co.jp


●メルク株式会社 パフォーマンス・ライフサイエンス化学品事業部 ラボラトリービジネス部
〒153-8927 東京都目黒区下目黒1-8-1 アルコタワー5F
TEL:0120-189-390 FAX: 0120-189-350
HP: http://www.merck-chemicals.jp


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