TOP活動報告 > 創立60周年記念式典報告

活動報告

活動報告

  • 活動報告トップへ


創立60周年記念式典 主催者挨拶


(一社)全国肥料商連合会
上杉 登

 主催者を代表して一言ご挨拶を申し上げます。

 全肥商連は昭和30年8月1日に産声をあげました。また5年前の平成23年1月1日に一般社団法人全国肥料商連合会に移行しました。創設60周年、法人化5周年を記念し昨年8月1日より幾つかの記念行事を行ってまいりました。その記念行事の締めとなります本日の行事にはこの経団連会館ゴールデンルームを埋め尽くすほど多くの方々の出席をいただいております。改めまして厚く御礼を申し上げます。今回の式典は第52回全国研修会も兼ねておりますが、今日・明日の行事が皆様の発展の一助になりますことを心から祈念する次第です。
 私は8代目に当りますので、創立30周年史から全肥商連の歴史を簡単に振り返ってみます。商人による干鰯などの肥料取扱の歴史は古く400年を超える永い年月を経過し今日に至っております。わが国の化学肥料製造の嗜矢(こうし)はタカジアスターゼの発明で有名な高峰譲吉博士によって明治20年アメリカからもたされた燐鉱4卜ンと製品6トンであり、当時の渋沢栄一氏をはじめとする大倉、浅野、三井、安田、馬越等の財界の巨頭によって創立された東京人造肥料(日産化学工業の前身)です。第2次大戦後肥料流通は肥料配給公団の統制下にありましたが河野謙三議員の発案で昭和25年8月に廃止されました。自由販売再開ということで、河野謙三代議士の提案により商人系肥料メーカー、元売商社、全国6千の肥料商が昭和30年8月1日、東京上野精養軒において創立総会を開催し、全肥商連が設立されました。

来賓の皆様並びに主催者
来賓の皆様並びに主催者

 第5代目会長である小杉良和氏(日産丸紅社長)がその30年周年史に寄稿された文章は30年経った今でもそのまま通ずる感動をよぶ内容です。朗読させて頂きます。
 「私ども肥料商は何十年何百年を生き続きて来たことを祝うのではありません。その間に乗り越えてきた幾多の苦難の路を振り返り、更に明日に向かっての固い決意と勇気を奮い起こすための一つの区切りとして記念し祝うものであります。全世界の情勢は国家間の政治、外交、経済等すべての面に於いて未だかってない難局に直面しているように思われます。それは形なき戦争の苛酷さを以て互いに容赦なく迫ってくるものを感じさせます。一方に於いては先端技術、生命工学の進歩発展は目覚ましいものがあり、あらゆる分野に於いて私どもの想像を絶した開発が行なわれております。かって10年15年を要した産業界の周期も現時点では極めて短い1〜2年の間に縮まり、予想外の飛躍を遂げてしいる現状ではないかと思われます。加うるに高度情報化社会の到来は、私どもの永い間の通年を超えた新しい時代の到来を告げております。勿論肥料業界もその例外でなく生産、流通、施肥栽培の面でも、新時代に向かってこれからが正念場であり、市場原理に基づいて国際競争力をつけない限り世界に伍していけないのではないかと考えます。この様な厳しい現状認識にたって全肥商連会員は、国家と共に21世紀に向かって逞しく生き続けてまいりたいと思います。」感服致しました。


農林水産大臣賞の方々
農林水産大臣賞の方々
農林水産省生産局長賞の方々
農林水産省生産局長賞の方々
全国肥料商連合会会長賞の方々
全国肥料商連合会会長賞の方々

基調講演:「新・観光立国論」
基調講演:「新・観光立国論」

 第2部では、国宝・文化財の修復を行う(株)小西美術工藝社のデービッド・アトキンソン社長による「新・観光立国論」の基調講演がありましたが、日本は観光立国を支える4大要素プラス1である「自然」、「季節」、「文化遺産」、「食」と「多様性」が揃っており、その財産を磨くことにより2030年までに訪日外国人旅行者数8200万人、旅行消費額15兆円を実現することが可能であると主唱されました。2030年までに時間的余裕がない一方、2020年には東京オリンピック・パラリンピックがあり最大の好機を逃すべきでないとの発言には会場の人を引きつける説得性がありました。


パネルディスカッション:「さぁ 動こう!そこに未来がある」
パネルディスカッション:「さぁ 動こう!そこに未来がある」

 第2部では、デービッド・アトキンソン小西美術工藝社長による「新・観光立国論」次いで小泉進次郎議員、二宮尊徳7代目子孫中桐万里子様にも参加頂いたパネルディスカッションをおこないます。先だって進行役の副会長であります豊田肥料豊田社長も交え下打ち合わせをおこないました。アトキンソン様は25年にわたる日本での生活体験から、私よりも日本のことを詳細に知っておられます。日本は間違いなく観光業で大きく成長する。必要なのは私どもの世界にむけた発信である。と主唱されております。


自らの経験を話す小泉議員
自らの経験を話す小泉議員

 パネルディスカッションは、今までご案内していたタイトルを小泉議員の提言もあり、「さあ動こう!そこに未来がある」に代えさせていただきました。二宮尊徳は農村復興に大きな足跡を残しましたが、その思想は日産化学の前身であります東京人造肥料創設に大きく貢献した渋沢栄一翁にも強い影響を与えました。全肥商連の生みの親とも言える河野謙三代議士の曽祖母は二宮尊徳の妻の妹でもあります。


道徳経営学について論じる中桐代表
道徳経営学について論じる中桐代表

 一歩踏み出すことの重要性を二宮尊徳から学んだかたは、内外に多くおられます。イギリスのサッチャー首相も多くの教訓を得たと言っております。小泉議員は自民党農林部会長として小泉金次郎となり新農政の実現に邁進されています。キーワードは「観光」「農業」「二宮尊徳」の3つですが、シナリオを一切用意しておりません。何が飛び出してくるのか期待感で一杯です。“肥料の夜明け”につながる何かを実感して頂ければ至上の喜びでございます。


全肥商連の事業について解説する豊田社長
全肥商連の事業について解説する豊田社長

記念祝賀会で来賓挨拶をされる石破議員
記念祝賀会で来賓挨拶をされる石破議員

 第3部では、石破地方創生大臣、外務副大臣時代に人質奪遠でISと必死の交渉されました中山泰秀代議士に来賓のご挨拶をお願いしております。石破大臣は年初の賀詞交歓会において、この50年で世界の人口は倍に、食糧生産は3倍に、肥料消費は5倍に増えた。この人口が2050年には90億人になります。TPP時代に日本が世界に発信できる要に日本の農業技術がある。と言われながら全肥商連が発刊した「人を健康にする施肥」は非常に示唆に富んだ著書であると褒めていただきました。有難いことです。


「わらび座」によるパフォーマンス
「わらび座」によるパフォーマンス

 祝賀会半ぱには、二宮尊徳のミュージカルを来年公演されますわらび座によるパフォーマンスも予定しております。午後8時までの長丁場となりますが、この60周年式典を大いに祝い、楽しんでいただき、明日への英気を養って頂くことをお願いし主催者の挨拶とさせて頂きます。宜しくお願い申しあげます。


上へ
  • 活動報告トップへ