「全肥商連施肥技術講習会」公式テキスト
『環境・資源・健康を考えた 改訂新版 土と施肥の新知識』 ●『改訂新版 土と施肥の新知識』発行にあたり
(一社)全国肥料商連合会は、このたび『環境・資源・健康を考えた 土と施肥の新知識』の改訂新版を発行いたしました。
「全肥商連施肥技術講習会」は農林水産省の後援を受け、過去10年間で30回開催し3,300名以上の受講生を輩出し、その内2,000名以上の方々が「施肥技術マイスター」、「施肥技術シニアマイスター」として登録され、「土づくり専門家」として全国各地で活躍されております。
本書は2012(平成24)年に本講習会テキストとして初版を発行しましたが、大学農学部、農業大学校、企業の社員教育の教材としても活用され、延べ15,000部発行させて頂きました。
この度、初版と同じ4名(後藤逸男先生、渡辺和彦先生、小川吉雄先生、六本木和夫先生)の執筆者により、土壌・肥料学、植物栄養学、栽培と施肥技術について、環境問題への対応、限りある天然資源、人の健康への寄与を更に深く視野に入れた改訂新版を発行することとなりました。
また「肥料取締法」が70年振りに「肥料の品質の確保等に関する法律」に改正され、地力の低下、栄養バランスの悪化、過剰障害等の課題に対し、法制度の見直しにより土壌や農業生産性の抜本的な改善を図ることとなり、本書も新法に対応した内容に改められました。
農業教育や農業生産現場で実践的な手引書として、多くの方々にお役立て頂ければ幸甚に存じます。
なお、本書は(一社)農文協より一般発売されておりますが、当会でも注文を承っております。当会会員社の皆様は是非当会にご注文ください。
・「肥料の品質の確保等に関する法律」に準拠した内容
2020(令和2)年の法改正に伴い、関連する部分は新法に準拠した内容に対応。
第3章「施肥の原理と肥料の種類・特性」では、改正された肥料の分類や普通肥料の種類は図表で掲載し、新たに創設された「指定混合肥料」なども含め、各種肥料の種類や特性を詳細に解説。
また、別章「『肥料の品質の確保等に関する法律』の概要」では、法律のポイントとなる部分を抜粋してわかりやすく解説した。
・土壌診断の方法や施肥設計の考え方を充実
第4章「土壌診断と土づくり」では、圃場における土壌診断の方法に加え、土壌採取の仕方から分析方法までのプロセスを具体的でわかりやすい説明に。また、土壌分析結果の見方と考え方についても、項目ごとに詳しく解説している。
・ページデザインは2段組で読みやすく、索引にでてくる重要語句は太字で目立つように
本文デザインを2段組とすることで、より読みやすく、内容がわかりやすいデザインとした。索引に出てくる重要語句は、太字とすることで語句を目立たせるとともに索引から検索しやすくした。
推薦の言葉(東京大学名誉教授・松本 聰) | ||
本書の読み方/ | ||
本書における基本的な用語の使い分けについて | ||
第1部 土壌と施肥の基礎知識 | 第2部 施肥の実践 | |
第1章 土壌の基礎知識(後藤逸男) | 第4章 土壌診断と土づくり(後藤逸男) | 別章 肥料の品質の確保等に関する法律の概要 |
1 「土」と「土壌」の違い | 1 土壌診断は穴掘りから | |
2 養液栽培の問題点と「土壌」の必要性 | 2 圃場の観察と穴掘りでわかる土壌物理性 | 資料1 地力増進基本指針 |
3 土壌の生成 | 3 なめてもわからない土壌化学性 | 資料2 元素濃度(me、mM、ppm)換算表 |
4 土壌の分類 | 4 リアルタイム土壌診断法とその特長 | さくいん |
5 土壌の特性 | 5 今後期待される土壌生物性分析 | |
6 有機物と土づくり | 話 題 | |
第2章 植物の必須元素と栄養特性(渡辺和彦) | 7 土壌改良資材とその使い方 | 1 肥料商とそのお客さんの熱意による発見 |
1 植物の必須元素 | 2 新たなアンモニア合成法 | |
2 世界の肥料事情の変化 | 第5章 環境にやさしい施肥技術(小川吉雄) | 3 窒素フットプリントから考える食の選択 |
3 作物の栄養特性 | 1 農業と環境 | 4 高温障害から稲作の基本を考える |
4 CHOの積極的な供給 | 2 あふれる窒素をどうする | 5 一酸化窒素の人体での作用とバイアグラ |
3 環境保全型農業における施肥管理 | 6 日本人はマグネシウム不足 | |
第3章 施肥の原理と肥料の種類・特性 | 4 輪作による肥料の効率的利用 | 7 高齢者の食欲不振、皮膚障害に亜鉛 |
(小川吉雄) | 5 農産物の品質を高める施肥法 | 8 ホウ素は高齢者の脳を活発にする |
1 施肥の原理 | ||
2 肥料資源の有限性 | 第6章 作物別特性と施肥法(六本木和夫) | 演 習 |
3 肥料の変遷と現状 | 1 水田土壌の特性と施肥法 | 1 土壌の三相分布 |
4 各種肥料の特殊性 | 2 畑土壌の特性と施肥法 | 2 土壌診断分析値から塩基飽和度と |
3 施設土壌の特性と施肥法 | 3 土壌酸性改良資材の施用量算出法 | |
4 樹園地土壌の特性と施肥法 | 塩基バランスを算出する | |
第7章 作物の栄養と作用機作(渡辺和彦) | ||
1 多量要素 | ||
2 微量要素 | ||
第8章 作物のリアルタイム栄養診断 | ||
(六本木和夫) | ||
1 リアルタイム診断技術の必要性 | ||
2 リアルタイム診断技術の開発 | ||
3 診断基準値を指標にした施肥管理 | ||
4 リン、カリウムを指標とした栄養診断 | ||
5 RQフレックスを用いた野菜の品質診断 |
後藤 逸男 (東京農業大学名誉教授、「全国土の会」会長(農家のための土と肥料の研究会))
渡辺 和彦 (元兵庫県立農林水産技術総合センター部長、(一社)食と農の健康研究所所長)
小川 吉雄 (元茨城県農業総合センター園芸研究所所長、元東京農業大学客員教授)
六本木和夫 (元埼玉県農林総合研究センター園芸研究所果樹担当部長、日本石灰窒素工業会技術顧問)