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全国肥料連合会会長 上杉 登

一般社団法人
全国肥料商連合会
会長 上杉 登


残暑御見舞い申し上げます。
 日頃より全肥商連の活動に積極的にご参加頂いており、深く感謝を申し上げます。
 私ごとですが、平成20年9月に全肥商連会長に就任しましたので、早や10年が経ちました。振り返りますと、一般社団法人化、施肥技術講習会の立ち上げ、60周年記念式典などでは足跡を残せた思いがありますが、一番の喜びは、東日本大地震、熊本地震に遭遇されました被災者の方々に多くの会員からの熱い思いを届けることができたことです。協会の最大の役割は会員同志が手をつなぎ一緒になって難局から這い上がることです。
 今肥料業界は、ハリウッド映画CIA分析官ジャック・ライアン シリーズの「今そこにある危機」ではないですが、「グローバル世界」「人口減少」「地政学」「シルバー民主主義」による四面楚歌状態にあります。伸びるアジア需要を日本市場にどう取り込むことができるか?国内の少子高齢化による生産・消費額の縮小からどう脱却できるか?中国・北朝鮮・米国・ロシアの自国主義優先をどう抑制できるか?過去の仕組みに引きずられた既得権や固定観念が改革を阻害し、「シルバー民主主義」を背景に大胆な改革は困難と思い込み、誰もが本質的な課題から逃げているのではないか?このような難局をどう乗り切れるか 今こそ全肥商連会員の気持ちが一つになるときではないでしょうか!

 私どもは、去る7月6日、7日の両日、熊本市において第53回全国研修会を開催いたしました。九州北部を襲った豪雨にも拘わらず、北海道、東北、関東、中部、関西地区及び九州各地から約190名の方々にご参加を頂きました。紙面をお借りして、厚く御礼を申し上げます。
 総合テーマである「NEXTアグリ“0”年−農業の復興は需要の創造から」の下に、震災から1年が経過した開催地・熊本の復興を引き続き支援するとともに、今年は農業競争力強化元年でもあり、農業再興を復興の起爆剤として前進するプログラムを用意致しました。
 宮城大学名誉教授大泉一貫先生の記念講演「フードチェーン農業in九州」では、2015年に138万戸あった販売農家戸数が25年には72万戸、30年には40万戸に減少し、稲作農家にいたっては15年の95万戸が25年に38万戸、30年には10.7万戸という時代が到来する。一方で販売額が5000万円以上の農家は増加し、その産出額シェアは15年で全体の41%だったが、30年には74%にまで急伸。「農家戸数では2割に過ぎない1000万円以上の農家が産出額の9割を占めるようになる」と農業構造の急激な変化を指摘し、「担い手となるべき1000万円以上層の育成が急務」と強調されました。
 この変化を乗り越え肥料商がその存在感を発揮するには、「成熟先進国型農業のビジネスモデル」の特徴である

 (1)農産加工品までとらえた付加価値提供型農業
 (2)顧客志向型・マーケットインの仕組み(プロダクトアウトからの転換)
 (3)他産業との融合・企業連携による生産性の高い技術革新型農業

 を日本農業の進むべき道筋と位置づけ、その根幹である「フードチェーン農業」の構築に積極的に参画し、肥料商そのものが水平分業の管理者として農家の組織化や情報・物流の調整を担うチェーンマネージャーになることを呼びかけました。
 「震災に負けず、立派な農業経営をしている農業者に聞く」と題したパネルディスカッションでは、熊本県阿蘇市の農業生産法人・(有)内田農場の内田智也社長、同県益城町の嶋村農園・嶋村兼次代表、横浜市の(有)ファーマーズ・田岡義康社長を招き、大規模米生産におけるマーケットイン農業、施設園芸における付加価値農業、青果卸の経験を生かしたパクチー等新種野菜のブランディングなどの課題に関し中味の濃い議論を交わしました。
 研修二日目は徳島大学薬学部教授土屋浩一郎先生による「食餌性硝酸・亜硝酸塩の生理的役割について」の講演と続いて施肥技術講習会講師であります(一社)食と農の健康研究所理事長兼所長渡辺和彦先生による総括「野菜の硝酸塩は人の健康に必須」の講話がありました。
 EUではその含有量が規制されてきた硝酸態窒素。しかし現在、硝酸態窒素が危険というのは誤解でむしろ有用な効果をもっているということをしめす健康結果が次々と公表されています。農水省も「優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質のリスト」から硝酸態窒素を外したのに続き、「農業技術の基本指針」29年度改訂版では「有害物資等のリスク管理措置」から「野菜の硝酸塩対策」の全項目を削除しました。
 亜硝酸の生理学的影響としてミトコンドリアの調節、血管拡張、脈管形成、糖代謝の調整、静菌、炎症抑制等があげられています。さらに今後、亜硝酸の研究から期待されているのが、敗血症、脳卒中、心筋梗塞、くも膜下出血、メタボリックシンドローム、高血圧、胃潰瘍、肺高血圧症等の治療薬の開発です。野菜からの硝酸塩・亜硝酸塩は決して毒ではありません。ヒトを健康にする有効成分です。肥料商が行なう施肥・栽培指導によって、ビタミン、ミネラル豊富な(機能性)農産物を生産者に栽培して貰い、ヒトを健康にする農業ビジネスにつなげていきたいものです。
 続いて「国際水準認証GAPの普及と促進について」では、農水省と日本GAP協会の講演、全肥商連支部とJGAP協議会によるパネルディスカッションが行なわれ、GAP推進に向けた情報と意見の交換を致しました。
 第53回全国研修会の模様は全肥商連九州及び全肥商連のホームページやメルマガ等でも詳しく報道しております。是非とも目を通して頂きたく、お願い申し上げます。
 縷々述べましたが、先行き不透明感が濃くなっているのも事実です。このもやもやした気持ちを和らげてくれるのが、次の3冊です。

 (1)経済産業省主催の産業構造審議会総会(平成29年5月18日)において配布された「不安な個人、立ちすくむ国家」〜モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか〜。・・・・隠れたベストセラーです。経済産業省内の20代、30代の若手30人で構成したプロジェクトメンバーが国内外の社会構造の変化を把握するとともに、中長期的な政策の軸となる考え方を検討し、世の中に広く問いかけたものです。権威が規律となっている組織中心社会が、都市化、グローバル化、資本主義・市場経済の高度化、AI・ロボット等の技術進展によって個人中心社会に大きく変革をしてきた。今後、個人は、国家はどのような方向に進むべきか!多くの示唆があります。インターネットでダウンロードしてください。
 (2)大泉 一貫 著「日本の農業はこう変わる!」(講談社現代新書)……既に概要は上述しましたが、現状批判をする方は多くおられるが、どうすべきかを提言している唯一の農業経営学者です。
 (3)中村 稔(前 独立行政法人 情報処理推進機構 参事・戦略企画部長)著 “何が「地方」を起すのか”(国書刊行会)……経済産業省出身ですが兵庫県庁出向(産業振興局長)、近畿経済産業局(総務企画部長)の経験を生かした地方活性化論は、実践派官僚故の濃い内容であり、その目のつけどころ、実行力は商社マンも完全に脱帽です。未来志向の肥料マン必読の書です。第49回全国研修会(奈良)では、本著作の原型となる「橘街道プロジェクト」の講演をして頂いております。

 最後になりましたが、全国会員の益々のご発展、ご健勝を祈念しております。今後とも宜しくお願い申しあげます。




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