(株)農文協プロダクション
鈴木 敏夫
第51回全肥商連全国研修会は、170名の参加を得て6月18日19日と「北の大地 まるごと食べよう北海道」をテーマに札幌市及び近郊で開かれました。
1日目の18日は、農林水産省北海道農政事務所の鶴見和良所長のご挨拶の後に、3つの講座が開講。
ローカルであることに誇りを持ち、農家の方々と伴に国産小麦の「ハルユタカ」の安定生産を実現し、それを生かす独自の小型製粉プラントの開発、そして江別ブランド食品の開発振興に取り組んできた我孫子社長は、「農商工連携」ではなく「農商工一体」だと主張されます。地域の人が一体になれる街づくり生活づくりこそ我々経済人が目指すもの。売手によし、買手によし、世間よしを加えた「三方よし」の理念を具体的に披露していただきました。
ワイン業界で「世界に通じる」と高い評価を得ている「山アワイン」は、生粋の農家の情熱から生まれた逸品。この実現には、山ア和幸さん一家の大きな苦難と、人との出会いと、地の恵みがありました。大きなケガから回復し、ワインづくりを思いたったときに出会ったブドウ栽培家やワイン家の先達、国内では不可能と言われていた赤ワイン品種「ピノ・ノワール」栽培への取組み、そして自社畑の気候と土壌の恵み(水はけの良い丘陵地、古代は海だったミネラル分に富む土壌、ブドウの樹を寒さから守る深い雪、寒暖差が生み出す凝縮した味わい)に感謝し、家族の絆を大切にしながら直売に徹しています。ご自身と家族の歩みを木訥と語る山アさんの姿とその実績に感動を覚え、大きな拍手が鳴り止みませんでした。参加された皆さんは、次回はぜひ山アワイナリーがある三笠市達布の地を訪れたいと念じたに違いありません。
講義終了後には、講師の方々にも同席していただき懇親会。酪農学園大学サークル員による「YOSAKOI ソーラン」のアトラクションもあって大いに盛り上がりました。