植物油粕類

(1)菜種粕
　9月の油糧生産実績が発表されたが、菜種搾油量は先月に引き続き前年同月を大きく上回る（約12,700トン増）189,647トンとなった。
　粕在庫は引き続き飼料向けの使用割合が高く（8月4.19％）出荷が好調な事もあり、前年同月に比べれば微増となったが、前月末からは1,667トン減少している。菜種粕の受渡しについては、年内はさほど心配されていなかったが、10月以降飼料向けの配合率が更に増えている事、またメーカーによっては油の出荷が予想以上に悪く、搾油量を落としているところも有り、急なオーダーには対応出来ないケースも出始めている。更に現在中国では、カナダ産菜種の輸入をめぐり問題が生じており、今後中国から菜種粕（原料カナダ産）の売り物が少なくなる可能性もあり、年末、年明けの受渡しが心配されている。

(2)大豆粕
　大豆搾油量は、引き続き低調な状況となっており、9月の搾油量も前年比85.3％の約198,000トンとなっている。
　大豆粕の在庫は前月より約5,600トン少なくなっているが、飼料向けの配合率は菜種粕とは対照的に低くなっており、輸入玉もあることから受渡しについては問題なさそうである。1-3月の大豆粕商売は既に4割程度進んでいると思われる。価格は10-12月の平均価より＠2,500〜4,500円下の商売となっているが、輸入価格が高い事もあり、ここにきて搾油メーカーの唱えは大きく切り上がっている。11月の単月価格10月比で＠5,000の大幅ダウンとなっている。

(3)脱脂米糠
　脱脂糠の9月末在庫残は、前年同期に比べ約300トン少ない3,463トンとなった。
　引き続き全国的にタイトな状況となっており、新米の出回る時期ではあるが、予想以上に原料生糠の集まりは悪く、年末に向けて受け渡しが心配される。

魚粕・魚粉末類

【ペルーでの漁が11／6（金）解禁】

　水揚げ数量は20,000〜30,000MT/Dayで例年の50％ほどに留まっている。昨年までのオリンピック方式での漁は禁止になり、今年の春から漁獲量割り当て方式に代わった。その結果、漁獲船が前年の50〜60％ほどしか出港していない。
　以前のオリンピック方式が主流の時は、1日に取れるだけの魚を取るためにあらゆる船を使って漁獲量を最大限にしていた（漁獲80,000〜100,000MT/Day）。そして処理数量を上回る魚は保管されていた。しかし今期から各工場はその処理能力（20,000〜30,000MT/Day）に合わせて、漁獲量をコントロールする傾向に変わってきている。ちなみに11月のエルニーニョ現象のペルー漁場への影響はなかった。しかし、各サプライヤーは12月に来ると予想している次のエルニーニョ現象の影響を恐れている。1月までのペルー魚粉生産量は約450,000MTと見られており、40%が中国とヨーロッパに売約済みである。

蒸製骨粉類

　国内の動物質有機・韓国産、台湾産の蒸製皮革粉共、別段これといった動きはない。長年肥料業界に携わってきたが、これ程動きの鈍い年は始めてである。

（注）上表の2002年1月〜2009年8月までの実績数量は、特殊肥料の骨灰である。

蒸製皮革粉